院内の絵、 目 次

院内の絵

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  「 航海する 」   ( みかさんの絵 11  )



 ・  上野眼科の診療スペースには60枚を超える絵がかかっています。

  水彩画が1枚ある以外、他はすべて版画です。

院内の壁には、ほとんど空いたスペースがないぐらいに絵がかけられています。

 絵に関心のない方だと、少し異様な感じがするかもしれませんが、絵の好きな患者さん方には非常に喜んでいただいています。

  開院前は余裕もなく、絵を飾ることまで気がまわりませんでしたが、友人達から4枚の絵をお祝いにいただきました。実際に絵をかけてみると、院内の雰囲気が良くなることがわかりました。

それから、自分でも少しずつ気にいった絵を購入し、10年を過ぎた現在では、60枚以上になったわけです。
すべて鹿谷町の ページワン で手にいれたものです。
 (http://page1-art.co.jp/index.html
 
 勤務医でしたら勝手なまねはできませんが、ここは自分のお城ですから、好きなようにできます。こういう事が独立する一番のメリットです。

 時々、この絵は先生の作品ですかと聞かれることがありますが、すべて専門家の作品です。
 このような能力が私にあれば、医者はやっていません、とお答えするのが常です。

 作家は、現在は、むらかみ みか さんが主体です。他には白駒一樹さん、上砂理佳さん、逸見亜子さん、綿引明浩さんの作品が少しあります。

白駒一樹さん



 開院した時、たまたま二人の方から白駒一樹さんの版画をいただきました。どちらも ページワン で購入されたものです。

  折譜U、と クランボン2 です。木版画ですが、その雰囲気、作風が気に入って ページワン に伺うようになりました。新しい作品も時々入荷し、それらの中から自分の好みの絵を集めるようになり20枚以上は購入したと思います。

 絵を手に入れたら、次にやることは額装です。 ページワン には色々な フレーム の見本があり、それぞれの絵に何が合うのか考えるのが楽しみです。

  ご主人や、フレーマー の雪絵さんの意見も聞きながら、最も適切な額を決めていくわけです。

 「フレーマーはクレーマーではありません」

 フレーマーの仕事は、絵にあった額装をアドバイスし、色々な選択肢を提示する役割がまずあります。
  また、絵にかぎらず、作品の内容によって、それを上手にフレームの中に収める技術が必要です。

 雪絵さんの得意なエルメスのスカーフの額装、立体的な子供の靴の額装など、難しいものが沢山あります。資格はありますが、それよりもセンスが重要な仕事です。
 
 そういえば、「スクリプターはストリッパーではありません」(白鳥あかね)、という映画の本がありましたね。
 すごくおもしろい本です。映画好きの人にはおすすめです。

 額装の選択肢は一つではありません。その絵をどういう感じのものと捕えるかによって、様々な道があります。結局は自分自身のイメージを一番うまく表現してくれるものを選ぶわけですが、ぴったりと決まった時の爽快感はなんとも言えません。
 額装をしたくて絵を買っているようなところもあります。

 白駒さんは千葉県にお住まいで奥さんも版画家ですし、息子さんも美術学校に行っているそうです。 ページワン で個展を開いた時には色々とお話をしました。
 最近はレーザーを使って木を切っていく方法で作品を作ったり、パソコンを使った作品を作っているようで、各地の病院で彼の大きな作品が壁装としてかざられています。
http://www.shirokoma.com/

むらかみ みか さん ( みかさんの絵、作品の目次 )

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 白駒さんの次に集めるようになったのは、むらかみ みか さんの作品です。

  ページワン を訪れたとき、たまたま、みかさんの作品 「 ロス エクスジョ より 」 が展示されていました。みかさんがよく使う、エンボスという台紙を型押しする方法でかもめが描かれたものでした。

  一目見て、なんとなく気になりました。何度か眺めているうちに、結局購入することにしました。

  その後も ページワン に作品がすこしずつ送られてきて、その中から気に入った作品を集めることになったわけです。
 最初の出会いから、すでに20年近くが経過したのにはびっくりします。

 彼女は浜松の近く、鷲津のお生まれですが、今はスペインのグラナダにお住まいで、20年以上になっていると思います。

  たまに日本に帰国されたときに会ってお話をするのですが、普段日本語を話す機会がないためか、時々、変わった言葉遣いのしゃべり方をするところが、少しおもしろいです。

  非常に純粋な女性で、お会いするのがいつも楽しみです。

 彼女の作品にはいくつかのパターンがありますが、動物を扱ったもの、恐竜をイメージしたものなどは私の好みです。

  また、彼女自身が特別な信仰を持っていると聞いたことはありませんが、スペインに住んでいるせいか、キリスト教的な雰囲気が感じられる作品もいくつかあり、みな心にしみる良いものです。

  彼女の作品は ページワン でも一番人気だと思いますが、絵を好きな方なら誰もが惹きつけられる、不思議な魅力を持った作品です。

 最近は版画だけでなく、木の作品、ブロンズなどもありますので、みかさんの絵( 作品 )として以下にあげます。



☆  みかさんの絵 ( 作 品 )   目次

 ・ 院内の絵  : 「ロス エクスジョ より 」 「 昼と夜の間で」
 ・ みかさんの絵 1 : 「海の振動」 「マグノリア ロマンス」 「十五夜」
 ・ みかさんの絵 2 : 「隠されたロマンス」  「詩 節 」
 ・ みかさんの絵 3 : 「ピラール女神」  「空」  「世界」
 ・ みかさんの絵 4 : 「旅のおくりもの」  「パンドラの箱」  「追 憶」      「つぶやき」X、Y、Z、W
 ・ みかさんの絵 5 : 「象の記憶」 「春の夢」 「星泥棒」 「雪の涙」
 ・ みかさんの絵 6 : 「蝶の旅」  「青い夢」 「密会」 「バコの秘密」
 ・ みかさんの絵 7 :「空が泣き、鳥が静み、森の葉々が輝き、大地が微笑む」
                「眠るひと」  「夏」  「星」「音楽隊」
 ・ みかさんの絵 8 : 「森の中」  「風をつくるもの」  「桜」          「キュクロープス」
 ・ みかさんの絵 9 : 「シンフォニー」 「ソナタ」  
                     「germerion」                       
 ・ みかさんの絵 10  : 「水面を通して」 「詩人」 「空の橋」 「流れ星」          「忘却の間を航海する」 
 ・ みかさんの絵 11  : 「波の戯れ」  みかさんの鳥たち: 「航海する」 
       「忘却へ」  「春の夢」  「セカンド メッセージ」
 ・ みかさんの絵  12  : 「大地のかけら」「帰還」「農場」「逃避行」「セミ」    「あの夏の記憶」        
 ・   みかさんの絵  13  : 「3人の使者」「山の足跡」「森の汽笛」「土地」       「木の女神」
 ・   みかさんの絵  14  :  「インファント島」「インファント島U」「山と雲」       「立体」「緑」                                     
   ・   みかさんの絵  15 : 「深夜」 「窓U」「水の記憶」「海と私」
   ・   みかさんの絵  16 :「素描:無題」 立体「家と花」「鳥かごと木」            「理想郷」
 ・ みかさんの絵 17:「タンゴU」 「別れの中の出会い」(2つの頭部)        「眠り」「旅程」「時間と風」「ペルセウス座流星群」


 

ロス エクスジョ より

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  「 ロス エクスジョ より 」   
 
     100 × 80 cm  ぐらいの作品 ( フレーム全体の大きさです )
 

  まだ、むらかみ みか さんの名前を知らない時、ページワン を訪ねると、この絵が額装され、展示されていました。その時はよくよく眺めたわけではありませんし、エンボスを使っていることも気がついていませんでした。
 
  ただ、なんとなく気になるものだという印象が残りました。

  何回か作品を見ている間に、やはりこれは手に入れたいという思いが強くなり、自分のところに飾ることにしました。額装は1回、変更してあります。

 画面全体に、エンボスされた大きなカモメが何羽も飛び交っています。

 下方のエンボスの上から色が付けられた場所は山のような感じですね。その中にも小さなカモメが飛んでいます。

 ロス エクスジョ は地名でしょうか。かもめが飛んでいるのですから、海辺の町のようです。


 

昼と夜の間で

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「 昼と夜の間で 」

     90 × 120 cm  ぐらい ( フレーム全体の大きさ )  の大きな作品です


 みかさんの絵の中で、うちでは一番人気があるのがこの絵です。
  
   通称、かばの絵です。 

 
   診察室の入り口にかけてあります。

   2頭のかばが、向かい合って大きな口を開いています。

  台紙には花がエンボスしてあり、色紙をちぎったものが貼ってあります。

 かばの口から花びらが吹き出ているようです。

 仁王門や、狛犬のように、入り口の左右に門衛のように立っているものが、日本に限らずどこにでもあります。

  別に魔除けのためとか、守っているというものばかりではなく、装飾的なものも多いと思います。

 これは狛河馬でしょうか。  阿吽ではなく、両方とも口を大きく開けています。
 
      阿 と 阿 です。

  診察室の入口で、僕を守ってくれているのでしょう。安心して仕事ができます。

  フレームは厚手の幅広のものです。丸みをおびて、ホワイトのきれいなものです。

 庭においてある椅子に、素人がペンキを塗ったような素朴な雰囲気が好きです。

 
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 近寄って良く見ると、かばの中には小鳥が数羽かくれています。これはみかさん得意のわざです。

  カバの目の瞳の形はハートのようです。

明るくて元気のよい絵で、見ていると楽しくなってきますね。緑色のバージョンもあります。


 
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