絵の上部には魚がいます。これもリアルな表現とは言えません。
ふと思ったのは、滝田ゆう、の漫画です。吹き出しの中にセリフを入れずに絵を描くことがその特徴なのですが、この魚もそうかな、なんて考えてしまいました。
女性の長い髪が体の左側に流れるようにたれています。上衣の襟元には花があり、全体の形からは沖縄のような感じを受けます。
みかさんの人物の顔立ちは面長で鼻筋が通ったものが多いです。目も閉じているのが普通です。
「 空 」「 世界 」の女性もそうですね( みかさんの絵 3 )。
「 夏 」の女性も同じですし、「 眠るひと 」は言葉通り、目を閉じています。
( みかさんの絵 7 )
目を開いているのは、「 ピラール女神 」のマリアだけです。面立ちも、聖母マリア、イエスともに丸顔です。
これは描いた対象、内容が全く違うものであるということから納得できます。
( みかさんの絵 3 )
「 海と私 」の女性の顔の雰囲気には、少し他とは違ったところがあるように見えます。他の作品同様、静寂という点は似ていますが、少し複雑です。
背景の複雑な色の影や線描が顔にもかかっていることも影響しているようです。
フランケンシュタイン、ブラックジャックのように( 少し大袈裟ですね )、顔に縫い目が残っているように見えないこともありません。
この作品を最初に見たときから、なにか違和感があり、気になっていました。こういう何か引っかかる感じというのは大事なことです。
何度も見ているうちに、少しずつわかってくるのが絵を見る楽しみです。
最初からいいね、と思う作品は後にあまり残らないこともあります。素直になめらかに流れてしまうのは、必ずしもいいことではありません。
他の作品の人物たちは、無心の状態のように見えますが、この女性はなにかの記憶をたどっているようです。
背景は、彼女の心象風景でしょうか、眼を閉じている女性の頭の中に浮かんでいる海。
ー 私の耳は貝の殻、海の響きを懐かしむ ー