眼の病気 9. 黄斑上膜

黄斑上膜(おうはんじょうまく)


 ★   眼は昔のカメラと同じ構造をしています。

  外の光は瞳からレンズ ( 水晶体 : すいしょうたい ) を通り、眼の中に入っていきます。
  眼球の中は、透明なゼリー状の水( 硝子体 : しょうしたい ) でみたされています。目は、中に水が入っている、ピンポン球のようなものだと思っていただければよいですね。

 ものを見る働きで一番大事な場所は、入ってきた光を感じる眼の奥の内側の壁です。
  カメラのフィルムに当たるものですが、それを網膜 ( もうまく ) といいます。
 
  網膜で感じ取った光は、神経を通して脳の中に入っていきますが、今回はこれにはふれません。

 網膜は、眼球の内側の壁の7〜8割を占めていますが、その中心の部分、視力に大事な場所が黄斑 ( おうはん ) です。少し、黄色っぽく見えるので、黄斑と言います。

  ここには、眼の病気が色々と起こります

 そのひとつが、黄斑上膜 ( おうはんじょうまく )です

※  網膜の中心にある、黄斑の表面に薄いセロファンのような膜が出来てしまう病気です。

・  黄斑の上に膜があるので、黄斑上膜と言うわけです。

  他の言い方では、黄斑前膜 ( おうはんぜんまく ) や 黄斑前線維膜( おうはんぜんせんいまく ) があり、すべて同じことです。

 黄斑の上か前かは、見方で変わる表現です。

・ この膜 ( 線維膜 ) は元々網膜の表面にあったものが、年齢とともに少し形が変わってできると思ってください。

 膜自体が悪いわけではないのですが、病気が進むと、膜にひっぱられて、網膜がゆがんで、正常な形がこわれてしまうために見え方が悪くなってしまいます。

・ 年齢とともに自然になることが多い病気ですが、眼の他の病気に関連して起こることもあります。

 年齢的には、50代以降が多いと思います。

・  最初のうちは自覚症状はありませんし、
 大半の方はそのまま一生なんともなく過ぎてしまいます。

・ 自分で感じる症状としては、
  1)  視力が落ちること、
  2)  ものがゆがんで見えること、
  3)  ものが大きく見えること、   があります。

たまたま眼科を受診して、医者から指摘されることが多いようです。

※ 治療は手術しかありません

   (まれに、自然になおることがあります。)

  手術用の顕微鏡を使い、眼の中に針のように細い器械を入れて、黄斑の表面の膜をピンセットではぎとります。

  50 歳以上の方では同時に白内障の手術 ( 眼内レンズ手術 ) も行います。

・ このような眼の中の病気をなおす手術、硝子体手術 ( しょうしたいしゅじゅつ ) は最近非常に進歩していますが、その中では軽症の手術になります。局所麻酔で1時間以内に終わります。

  短期間入院する場合、外来通院で行う場合があります。

・  ゆがみなどの自覚症状が強かったり、矯正視力が落ちてきたら、手術を考えるのが一般的な適応です。

※ ただし、ゆがんで見える、ものが大きく見える、という症状は、手術をした後、軽くはなりますが、
100 % 元通りにはならないと考えてください

 また、視力が落ちて何年もたってから手術をすると、視力の回復があまり良くないこともあります。

  比較的新しいうちに手術をすると視力は元にもどります。
 
・ 手術をすれば、手術前よりも自覚症状が改善するのが普通ですが、人によってその満足度は違います。

 理想的な結果を得るためには早めの手術がよいのですが、逆に言えば、そのような時期には自覚症状はありませんので、手術を行うことは現実的ではありません。

※ この病気で失明することはありませんので、あまり気にならないという方は経過を見ていくことになります。